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ルクセンブルクの伝統 3月

ルクセンブルクの伝統―3月

3月(ルクセンブルク語で「Lenz」)

灰の水曜日の後の土曜日、または日曜日 (「Buergsonnden」) には、謝肉祭の最後の催しとして、「Buergbrennen (焚き火)」が行われるのが伝統です。この風習は、異教徒による儀式が起源とされ、元々は悪霊を退け、春を迎える意味がありました。その頃と同じように、春分の時期に行われるこの行事は、暗闇と寒さに打ち勝つ光と暖かさを象徴しています。
言語学的な観点から見ると、この「Buerg」は、あるルクセンブルク語の同音異義語と言えます。ルクセンブルク語で「Buerg」といえば「城」を意味しますが、ここでの「Buerg」は城とは関係なく、ラテン語で「燃やす」を意味する動詞「comburere」を由来としています。そういう訳で、ルクセンブルク中で行われるこの焚き火の主な材料は、大量の木材や枝、藁 (「Buergen」と呼ばれる) であり、中心には十字架がかけられ、丘の上で火が灯されます。
「Buergbrennen」を準備するのは、主に若者の団体です。午後に集まって「Buerg」を作った後、たいまつを持った行列で村から「Buerg」のある丘の上に向かいます。そして、日が沈むと同時に火を灯します。この行事では、年齢を問わず何千人もの人々が集まってお祝いをします。火を囲み、マルドワイン (「Glühwäin」) を飲んだり、ソーセージを食べたり、えんどう豆やサヤインゲンのスープ (「Ierzebulli」や「Bouneschlupp」) を楽しんだりします。
いくつかの村では、長く続く伝統として、最も結婚してから日の浅い夫婦が、「Buerg」に火を灯すという栄誉ある役割を担います。ちなみに、この焚き火が行われる際には、必ず、地元の消防隊が厳重な監視を行います。

四旬節の第3日曜日、つまり復活祭の3週間前、ルクセンブルクでは「Bretzelsonnden」(プレッツェルの日曜日) という行事が催されます。
「Bretzelsonnden」は、かつては、純粋な縁結びの行事でした。この行事の由来ははっきりとは分かりませんが、一説によると、18世紀の「Buergbrennen」の日に始まった風習だといわれています。その日、好きな異性のいる女の子は、相手の名前を大声で呼びながら焚き火に木を投げ込みました。もし両想いなら、相手の男の子は「Bretzelsonnden」の日に女の子にプレッツェルを渡し、さらに女の子が、復活祭の日、男の子に卵を渡しました。これは、多くの場合、結婚の約束と見なされました。
今では、プレッツェルの日曜日のならわしとして、男性が想いを寄せる相手に「Bretzel」を贈り、相手が復活祭の日曜日にチョコレートの卵を贈り返すのが一般的です。ただし、女性が相手の男性からの申し出を断る場合、空のかごを手渡します。ルクセンブルクには、甘い焼き菓子を贈るこの風習が元となった慣用句があります。それは、「de Kuerf kréien」という表現で、直訳すると「かごを渡されること」ですが、「拒否されること」を意味します。
重要なこととして、うるう年にはこの風習が逆になり、女性が想いを寄せる相手にプレッツェルを渡します。
ここで、「Bretzels」の作り方について少し説明します。主な素材は、パイ状のペストリー生地です(レシピは下にあります)。ねじってカールさせた生地は、恋人同士が腕を組む様子を表しています。溶かした砂糖とアーモンドで覆われたものもあれば、アーモンドペーストを詰めたものもあります。元々は塩をまぶしていた「Bretzel」ですが、今では甘いものが人気です。

「Bretzel」のレシピ
材料:
• 冷凍のパフペストリー、解凍したもの
• 卵黄と卵白を分けた卵1個分
• アーモンドペースト150 g
• ブラウンシュガー60 g
• 牛乳 大さじ2
• 細かく刻んだアーモンド60 g

• 粉砂糖150 g
• 牛乳 大さじ2

作り方:
• オーブンを200 °Cに温めます。 
• 小麦粉をまぶした平らな場所にペストリーをのせます。めん棒で長方形に伸ばし、半分に切ります。
• 卵黄をボウルに入れ、アーモンドペースト、ブラウンシュガー、牛乳を加えます。ミキサーで混ぜ合わせます。
• 混ぜ合わせたものを先ほど半分にした生地の片方に塗り、もう片方ではさみます。
• 生地を縦に半分に切ります。それぞれを数回ねじった後、プレッツェルの形を作ります。
• ベーキングシートの上にのせ、泡立てた卵白をブラシで塗り、刻んだアーモンドを振りかけます。
• 黄金色になるまで15分間焼きます。
• 粉砂糖と牛乳を混ぜ、グレーズを作ります。
• オーブンからプレッツェルを取り出し、冷まします。
• 表面をグレーズで湿らし、お好みでアーモンドをかけます。

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