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「人」コラム ‐ ルクセンブルクの横顔 第31回:クリスティーナ・ホーゲンさん(Ms. Christina Hoegen) ― 前編

ある国を語る時、歴史や文化、生活風習に加え、その国の人々は欠かせないファクターでしょう。人との交流は、国の印象にも大きく左右しますし、人を知ることで、その国への理解も一層深まります。このコラムは日本とルクセンブルク、双方につながりの深い方々を順次ご紹介していきます。
今回ご登場いただくのは、慶応大学への交換留学の後、今年7月に再来日し、日本語を勉強中のクリスティーナ・ホーゲンさん。日本での生活を中心に色々とお話を伺いました。

事務局(以下、Q): こんにちは。今日は宜しくお願いします。
クリスティーナ(以下、C):こんにちは。こちらこそ、宜しくお願いします。
Q:まずは、自己紹介をお願いします。
C:クリスティーナ・ホーゲン、ルクセンブルク生まれ、ルクセンブルク育ちの22歳です。
父は12歳の時にルクセンブルクに来たオランダ人で、母はデンマーク人です。
Q:では、ご両親はルクセンブルク生まれではない・・・。
C:違います。両親が出会った場所がルクセンブルクなんです。母は欧州司法裁判所に勤務しておりまして、ルクセンブルクに赴任して2日目に父と出会ったのです。パブで(笑)。
Q:あらー(笑)。赴任2日目ですか?それはスピーディですね。クリスティーナさんは、何故、日本に来ようと思ったのですか?
C:ずっと日本に住んでみたい、と思っていました。12歳くらいの頃から。
Q:そんなに早い時期に?
C:はい。ルクセンブルクでヨーロピアン・スクールに通っていた頃から。
Q:ヨーロピアン・スクールですか?インターナショナルスクールとは違うの?
C:まあ、似たようなものですが・・・。EU諸国からの子供たちが通う私立の学校で、EUに勤務する人の子弟は学費が免除されます。ヨーロッパで暮らしていて、違和感というか、なんとなく自分にはしっくりこないな、とずっと感じていました。アニメの影響もあったのかもしれませんが、ヨーロッパとは全く違うカルチャーがある日本に興味を持ちまして、日本語の勉強を12歳から独学で始めました。
Q:独学ですか?それは凄い。
C:はい、独学です。TVの字幕付きのアニメを観て、あ、この言葉はこういう意味なんだ、と理解して。ひらがなやカタカナを覚えて。ずいぶん後になってからルクセンブルク在住の日本人の先生から個人レッスンを受けましたけれど。
Q:アニメ、お好きですか?
C:はい、とっても(笑)。「ワンピース」、「遊戯王」、「名探偵コナン」・・・。
Q:女の子向けのアニメはどうですか?「キャンディキャンディ」とか、「セーラームーン」とか・・・。
C:うーん。私はあまりガーリーではないので(笑)。あ、それから宮崎駿さんのアニメも大好きです。「千と千尋の神隠し」が特に。(ヨーロッパの文化の中にいる)自分が千尋のような気がしました。2012年に初めて日本を訪れた時に、とてもしっくりきたのですね。「あ、やっぱり、私は日本に向いている」という思いを強くしました。
Q:初めての日本は観光で?
C:そうです。友達と友達のご家族と一緒に2週間。京都、広島、伊豆長岡、三島、箱根などを回りました。
Q:そんなに色々まわったのですか?
C:はい。忙しかったですよ。宿について、荷物ほどいて、また荷物詰めて移動(笑)。だから次に日本に来るときはもっとゆっくり滞在したい、と思いました。大学はオランダのロッテルダム大学に進んで、2017年に約6か月間、慶応大学に留学しました。今年、大学を卒業したので、もっとしっかり日本語を勉強するために再来日して、今は信濃町の日本語学院で勉強中です。できれば日本にずっと住んで、日本で働きたいです。
Q:クリスティーナさんにとって、日本語は何番目の言語ですか?
C:ええと、8番目です。
Q:うぁぁ・・・。
C:まあ、私は多言語環境で育ってきましたから(笑)。
Q:そうかもしれませんけれど・・・。で、その8か国語とは?
C:ルクセンブルク語、オランダ語、デンマーク語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、英語、そして日本語です。
Q:スペイン語も?もしかして、大学でスペイン語を専攻したのですか?
C:いえ、大学ではコミュニケーションとメディア専攻でした。
Q:そうすると、マスコミとかPRなどのコミュニケーション分野でのお仕事に興味がある?
C:はい、もちろん非常に興味があります。ですが、正直なところ職種は問いません。まあ、語学の先生の仕事はできれば避けたいですけれど。日本でのワーキングビザの取得は益々厳しくなっていますし、クリアしなければならない課題はいっぱいです。まずは日本語能力をもっと磨かないと。
Q:十分だと思うのですけれど。
C:まだまだです。敬語の使い方とか、本当に難しいです。
Q:では、今は日本語のお勉強三昧?
C:そうですね。朝、5時に起きて、学校に行って、午前中は学校で授業を受けて、午後は宿題と自習。私はスポーツが大好きなので、たまにジムに行きますけれど。
Q:朝5時起き?
C:はい。神奈川県藤沢市辻堂在住なので、通学に片道1時間半は必要です。
Q:何故、辻堂に?海が好きとか?
C:ええと・・・。ボーイフレンドが辻堂に住んでいて・・・。
Q:え?彼は日本人ですか?
C:そうです。
Q:もしかして、日本滞在2日目に知り合った(笑)?
C:残念ながら両親の場合ほど早くはありませんでした(笑)。留学生活も終わりに近づいた時に横浜で出会いました。ルクセンブルクに戻ってからも頻繁に連絡を取り合って。そういう訳で、今、辻堂で暮らしています。
Q:なるほど。日本での生活をもう少しお聞きしたいのですが、よろしいですか?
C:はい、もちろん。
Q:幼い頃から日本に親近感をもってくださったクリスティーナさんですが、実際に日本で暮らしてみて、困ったこととか疎外感を味わったことはありませんか?(後編に続く)

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オシャレで表情豊かでチャーミングなクリスティーナさん。(写真に一目ぼれした男性諸君は多いと思います。残念ですが、すでにボーイフレンドがいるとの由)。日本に対する愛情が言葉の端々に溢れでています。次回は日本での生活で体験したこと、感じたことを伺っていきます。 (文責:事務局)