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「人」コラム – ルクセンブルクの横顔(4)

第4回: ステフィー・ウォラックさん (Ms. Steffi Wolak) ― 後編

ある国を語る時、歴史や文化、生活風習に加え、その国の人々は欠かせないファクターでしょう。人との交流は、国の印象にも大きく左右しますし、人を知ることで、その国への理解も一層深まります。このコラムは日本とルクセンブルク、双方につながりの深い方々を順次ご紹介していきます。
前回に引き続き、留学生として関西で学び、現在は東京の人材紹介会社にお勤めのステフィー・ウォラックさんのお話を紹介します。

事務局(以下、Q):日本はルクセンブルクに比べ、あまりプライベートな話をしない、と先ほどステフィーさんは仰っていましたが、ルクセンブルク式にプライベートなことをお聞きしたいと思います(笑)。
ステフィー(以下、S): はい、どうぞ(笑)。
Q: 昨年の12月に日本人の彼と結婚したと伺いましたが、彼とはどこで知り合ったのですか?ステフィーさんは奈良女子大学に通っていたから、キャンパスってわけではないですよね?
S: 大阪です。バーで。
Q: バーですか!
S: はい、バーです。ちょうど大阪に遊びに行って、飲みに行ったところで話しかけられて知り合いました。
Q: そうなんですか。日本語で話しかけられたのですか?
S: 日本語です。
Q: では、家庭での会話は日本語?
S: いいえ、今は日本語と英語のチャンポン。ジャパニングリッシュです(笑)。知り合って1年間は日本語オンリーで話していましたが、付き合いが深くなるとディスカッションとか色々込み入ったことも話すことになるでしょう。そうするとやっぱり、英語で話したほうがコミュニケーションをとりやすかったりしますので。
Q: あ、彼も英語を話す?
S: はい。彼は2年間、アメリカに留学していたことがあるので。
Q: だけど、最初は日本語オンリー(笑)。
S: 最初の1年間、会話は全部日本語。日本語だけ(笑)。
Q: 面白い!ユニークな彼ですね。結婚式は日本で?
S: ルクセンブルクで。ルクセンブルク式に、署名して、皆を呼んでパーティして。アットホームなパーティです。日本の結婚式とは違うかな。日本の婚礼写真には興味ありますけど。Q: 日本の生活で困ったことはありますか?日本人の伴侶がいると日々の生活ではあまり苦労しない? 
S: ありますよ。銀行口座とか、携帯電話の契約とか、特に家探し!
Q: え、ご主人が日本人でも、家を借りるのは大変なの?
S: そうです。契約者は彼で、彼のお父さんが保証人になってくれて、それでも断られました。2回も!文化の違いがあるから、ルクセンブルクは家で友人をもてなすことが多いから、敬遠されたのかな。騒がしくて近所迷惑になると思われて。
Q: ううーん。どうなのかな、何故、貸すのを渋るのかな?コミュニケーションの問題は無いはずなのに。何をリスクと思うのかな。
S: 不動産屋さんに言われました。「欧米人はまだまし。アジア圏の人達はもっと大変だって」。一方で日本人がヨーロッパで家を借りるのは大変かもしれない。
Q: そういう苦労が解決できる方法が見つかるといいですよね。その他に苦労している事はありますか?納豆もOKなステフィーさんのことだから、日本の食事はまったく大丈夫だろうけれど。
S: はい、日本食、大好きです。お寿司も鰻も。特に和菓子が大好物。お餅に餡子それから抹茶アイスも! 彼と一緒にルクセンブルクに近々引っ越す予定なのですが、和菓子が絶対恋しくなると思う。どうしても食べたくなって自分で作ったりするかも(笑)。
Q: 真空パックの餡子を、ルクスまで持って行ってください(笑)。では、今、ステフィーさんが日本で恋しく思っているルクセンブルクの食べ物は何ですか?
S: そうですね、ルクセンブルクのチーズ。ルクセンブルクのチーズはとっても美味しいのですよ。日本のマーケットで見つけることありますが、お高いので、そうそう手が出ない・・・(笑)。それから、チョコレートも。特に「ヌテナ(Nutenna)」!パンにつけるチョコです。あー、食べたい(笑)。
Q: わかる!海外で恋しくなる母国の味って、特別なご馳走よりも日常に密着した食べ物ですよね。私の場合は、海外での滞在生活が長くなると、何故か無性に「鍋焼きうどん」が食べたくなります。お寿司やラーメンは欧米でもポピュラーな食べ物になってきていますが、海老天の載った鍋焼きうどんには中々遭遇しない(笑)。
S: お寿司はルクセンブルクに移っても食べられると期待しています。私は大トロとサーモン、それから鯛が大好きなのですけれど。
Q: これからルクセンブルクでの生活が待っているとのことですが、将来設計で決めていることはありますか?日本で暮らすことは考えていない? 
S: ルクセンブルクの生活がどのくらい続くか、まだわからないです。でも、この先、また日本で暮らす事になったら、たぶん東京ではなくて地方に居を構えると思います。私、子供も仕事も両方持ちたいのです。東京で仕事しながら育児もというのは、すごく無理があると思う。長時間働いて、通勤にも時間がかかって、家に帰ったら、子供はもう寝ている時間でしょう。そうしたら子供とゆっくり向き合えないじゃないですか。けれども、仕事はずっとしていたいし。専業主婦にはならないと思います。自分の手で、自分の力で稼ぐことも私にとって大切なことです。
Q: 経済的に自立する。なるほど、その気持ち、とても良く分かります。どんな仕事をしていきたいのですか?
S: 職種にはこだわりがありません。自分が面白いな、と思う仕事であればハッピーに働けると思います。ただ、せっかく日本との繋がりができたので文化をつなげる仕事に関わることが出来たら素晴らしいですね。あと、海外で生活するということを、家探しも含めて(笑)、経験したので、ルクセンブルクで日本人が困っていたらサポートしていきたいと思います。きっと、細々した事に苦労されていると思うので。
Q: それはルクセンブルクで暮らしている日本人にとって朗報です。皆さん、ルクセンブルクで困った事があった時、ステフィーさんが力になってくれますよ!今日は色々なお話を伺えて楽しかったです。どうもありがとうございました。
S: こちらこそ、ありがとうございました。

***

ステフィーさんに、ルクセンブルク人であることで、何か日本で得したことはありますか?と聞いたところ、「注目されることは確かですね。私、よく道で(テレビとかに)インタビューされるのですが、ルクセンブルク人です、と言うと、皆さん、俄然興味が出るのか色々な質問がでます」と答えてくれました。かなりプライベートな質問にも、オープンにそして真摯に答えてくれた彼女、その誠実な人柄で様々な人をサポートしていくことと思います。ルクセンブルクでの新生活の報告をこのサイトで拝見することが今から楽しみです。
(文責:事務局)

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