ブラモーゼル
たまたまルクセンブルクに旅行・出張して日曜日が1日フリーになってしまった。日曜日は市内のショップも開いていないし、一通り市内の観光名所や美術館は廻ってしまったよ。エヒテルナッハやお城巡りもいいけれど、少し頭は休めて体をリフレッシュさせたい。そんな時のお薦めの過ごし方の一例を実践してみましたので、共有させていただきます。
名付けて「ブラモーゼル」。
① 目指せ!ワインミュージアム
まずはモーゼル川沿いの村Ehnenを目指します。市内からのバスは150番のバスがWine Museum前で停まりますよ。所要時間約30分。日曜日は1時間に1本。逃さないように早めにバス停集合。
② レンタサイクルを借りる
ワインミュージアムでモーゼル地方のワインの歴史について学ぶも良し。ここではレンタサイクルを借りられます。モーゼル川沿いの主要の町、レーミッヒやグレーヴェンマッハ、シェンゲン等でも同様のレンタサイクルのポイントがあり、どこで乗ってもどこで返しても良いとの事。ここでは地図を貰ってお薦めのワイナリーもミュージアムで聞いてみましょう。BIOワインの造り手や白ブドウジュースの造り手なども教えてもらえました。
また自転車を借りなくても、ブドウ畑をハイキングするというオプションもあります。下記オンラインのMAPもありますが、どういうコースを歩くか、ミュージアムでも相談されると良いですよ。(ワインミュージアムは2018年10月から全面リニューアル工事のため2年間クローズとの事。自転車を借りるなら別のポイントになりそうですね。)
♦トレイルMAP♦
③ Wormeldangeまでサイクリング(あるいはハイキング)
自転車もしくはハイキングで丘の上に建つ絶景チャペルが有名なWormeldangeを北上しながら目指します。見渡す斜面はブドウ畑。そこここで聞こえる鳥の声や川面をゆっくり下るボートなどを見ていると自然にお腹が減ってきます。丘の上に建つ絶景チャペルがを目指して北上する事10分。この村はとても雰囲気の良い家や素敵な庭なども多く、初めて来た人もどこか安心感をいだけるのどかな場所。
ルクセンブルクでも最も高名なワイナリーの一つDomaine Alice Hartmann (http://www.alice-hartmann.lu/fr/)(※日曜日はクローズ。金曜日午後のみテイスティングツアーを一般向けに行っている。)を横目に見ながら急坂を上ります。チャペルを丘の上に見ながら、さあ最初の腹ごしらえポイントRestaurant Auberge Koeppchenに到着です。
④ ルクセンブルク名物バーガー発見!
地元っ子一押しのレストラン。オーベルジュとして宿泊場所も提供しているようで、帆船をテーマにした内装も雰囲気よし。店内もかなり広く一人という事もあり予約なしで訪問したのですが、まさかのフルブッキングで満席との事。金曜夜から週末は大変混むので予約したほうが無難らしいです。お腹はグーグー鳴るし、文字通り拝み倒して、何とか外のテーブルを入り口付近に入れていただきお一人様専用スペースを特別に作っていただきました。東方からの一旅行者への暖かい対応に感謝。メニューですが、ふむふむ、まずは乾いた喉を潤すのは地元のAlice Hartmannのクレマンが最適でしょう。Alice Hartmannをグラスでオーダーできるのは嬉しい限り。色と泡の上品さが際立っています。そして味もやはり納得の美味しさ。潤います。
メニューは伝統的なルクス料理を多く供しておりどれも美味しそうですが、ウェブサイトの写真では特にハンバーガーが美味しそうだったので、思い切って絶景チャペルの名前(お店の名前でもある)を冠したKOEPPCHEN BURGER 15.9ユーロをオーダーしました。その時は少し贅沢したな、くらいに思っていましたが、、、これは想像をはるかに上回る最上の一品であった事が判明しました。。。。。
ナイフが刺さった見た目もワイルドですが、それ以上にとてもワイルドなのは、あのクリスマスマーケットで散々お世話になったルクセンブルク屋台名物、ルクスっ子のソウルフード、「グロンペルキッシェルシャー」がハンバーガーの上にドーンと一枚鎮座しているではないですか!! 「ルクセンブルクの宝石箱やぁ~」というセリフが思わず口から出そうになります。後から色々な人にも聞いてみましたが、グロンペルキッシェルシャー入りハンバーガーは食べた事がないようで、きっとレアメニューなんだろうと思います。クリスマスマーケット以来の出会いに感動し、クリスプなバンズ、肉汁溢れるパテやベジタブルと共に大変美味しくいただきました。
尚、ご想像の通りハンバーガーだけで相当お腹一杯大満足でしたが、KOEPPCHEN BURGERとの出会いがあまりに嬉しかったので、調子に乗ってPARFAIT≪Auberge Koeppchen≫10.50ユーロもオーダー。もはや満腹メーターは振り切れ、お店の名前の冠したパフェを食べたい!の一心でした。結果的にパフェは良い形で裏切られ、ボリューミーではなく、とても上品なプレートでスタイリッシュな盛り付けをしたデザートでしたので、サラッといただけました。Restaurant Auberge Koeppchen、わざわざ訪れる価値のある名店でした。ご馳走様でした。
⑤ 絶景ワイナリーで口直し
実は自分はこちらのワイナリーの存在を知らずにスルーしてしまいましたが、上述Restaurant Auberge Koeppchenのすぐ先にある評判のワイナリーで、日曜日もオープンしているとの事。サイトの写真でもご想像いただけるのではと思いますが、とにかくワイナリー併設カフェからの眺望がすばらしい。食前か食後のお口直しに立ち寄るのもお薦めと思います。晴れていればさらに最高でしょうね。
⑥ チャペルに立ち寄る。
昼食後、絶景チャペルを素通りは出来ず、急坂を下って、上って、ブドウ畑の中をゼーゼー呼吸して心臓バクバク言わせながら、チャペルにも行きました。チャペルからの景色もきれいでしたが、丘の上にあるチャペルを眺める方がよりロマンチックかもしれません。体力に余裕のある方にはお薦めですが、スルーしても良しとは思います。ただこのチャペル、土壌や日当たりがいいんでしょうね。後日聞いたのですが、このチャペル近辺のブドウ畑は、ALICE HARTMANのワイン(それも高名なオーセロワ!)に使用されている事が判明。あの銘酒を生み出すブドウをチャペルと一緒に眺めたいとのファンは是非。
⑦ ALICE HARTMANに立ち寄る。
駄目元でALICE HARTMANにも立ち寄ってみましたが、やはり金曜日午後しか一般向けには開放しないとの事。こちらは後日念願かなって訪問出来たので、その時の様子はまた別途レポートさせていただきます。門構えも素敵です。
⑧ 白ブドウジュースを廻る旅へ その1
さあ、ここからは大好きな白ブドウジュースを廻りながらモーゼル川沿いのサイクリングを思いっきり楽しみます。ワインミュージアムで聞いた以下二つのワイナリーに赴き、白ブドウジュースをそれぞれ購入しました。
♦DOMAINES VINSMOSELLE Wine Shop Wormeldange♦
DOMAINE VINSMOSELLE は1921年設立のルクセンブワイン生産者組合で、国内最大手ワイナリー。白、赤、スパークリングまで多様なラインアップとリーズナブルな価格が売りです。白ブドウジュースは小瓶サイズもあり、パッケージもポップでお洒落。価格も1ユーロで大変良心的です。初めてアンリ・ルパートで味わった際に衝撃を受けた、白ブドウジュース特有の透明感と濃厚な甘味も存分に味わえます。小瓶はお土産にも最適。今まで日本に持ち帰ったジュースは大事にチビチビ飲んできましたが、ここぞとばかり小瓶を一気飲みしました。贅沢です。
⑨ 白ブドウジュースを廻る旅へ その2
Woemeldangeから川沿いをひたすら自転車で約12km南下します。私は道路がないドイツ側をサイクリングしましたが、川沿いでは鳥の声と風の音、時折ボートのモーター音が聞こえるだけ。自然と静寂を全身で満喫できました。自転車好きには本当に心からお薦めします。
こちらはモーゼル川沿いの中でも、Wormeldangeとシェンゲンの中間に位置し、水辺のリゾート地の風情もあるレーミッヒ近くにあります。ワイナリーと共に併設されているレストラン「The Pavillion St.Martin」は、充実したメニューが売りでガイドブックなどにもよく掲載される有名店です。ここでも白ブドウジュース大瓶x4本を購入しました。試飲も並々注いでもらえます。同じく透き通るほど透明感のある濃厚な蜜味に舌鼓を打ちました。
⑩ レーミッヒでエクスカーション
当初は白ブドウジュースを巡る旅の最終目的地、アンリ・ルパートのあるシェンゲンまで(約10km)行くつもりだったのですが、小雨がぱらつき、レーミッヒでBIOマーケットなども開催していたので、レンタサイクルを返却し、BIOマーケットを冷やかしました。写真を撮り忘れた事を非常に後悔しているのですが、BIOマーケットではおなじみチーズやサラミやらハンドメイドの雑貨など売られており、中でも蜂蜜やさんが、あれこれ試食させてくれ、ルクセンブルクらしからぬ押しの強さ。白ブドウジュースの瓶ですでに相当荷物は重たかったにも関わらず、雰囲気に負けて蜂蜜とブルーベリーソースを混ぜた、不思議なジャムもどき蜂蜜を購入。ルクセンブルクにはこれまた珍しく、あまりお洒落ではないパッケージで、ジャムでも蜂蜜でもない違和感、どっちつかずで少し失敗したかなと思っていましたが、帰国してヨーグルトと一緒に食べると結構ハマってしまい、家族からも大好評。大正解でしたが、きっと個人で作られている希少品、住んでいない限りは二度と出会えない気もします。。。
⑪ ビールで〆る
レーミッヒではルクセンブルク市内行きのバスを待つ間、地元の人が集うバーに入り、ワインではなく、この地の看板ビールBattinビールを飲みながら旅の締めくくりとしました。天気が良くなくてもこの充実度と爽快感。天気が良ければどれだけ素晴らしかっただろうと、いつかの再訪を心に誓いました。
⑫ 幻の白ブドウジュースを廻る旅へ その3
レーミッヒからシェンゲンまで10km。本来であればアンリ・ルパートまで行く事も出来たと思います。上述の白ブドウジュースも大変素晴らしいのですが、アンリ・ルパートの白ブドウジュースは、透明感と甘みの濃厚さでさらに上を行っていると思っています。残念ながら日本ではジュースは購入できませんが、ワインはオンラインで購入できますよ。