日本のメディアが珍しくルクセンブルクの防衛相にインタビューしました。日本の神戸生まれで、幼少期をドイツで過ごしたのち、再び日本に戻り10代の大半を過ごし、神戸のインターナショナル・ハイスクールのカナディアン・アカデミーを卒業し、ロンドンで日本学の修士号を取得している日本通です。日本名ゆりこは、ルクセンブルク人の両親によって日本で生まれたことで命名されました。
読売新聞オンラインでの記事タイトルは「米国の対決姿勢やウクライナ侵略長期化…戦後80年、ルクセンブルク国防相「全世界が非常に危険な時代」 」です。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250127-OYT1T50173/
上記記事でも指摘されているように、ルクセンブルクは、トランプ大統領がNATO加盟国に要求していた防衛予算2%をいまだに達成していません。過去10年で3倍に拡大して1.29%ですが、今後5年間でさらに2倍に拡大するとのことです。ルクセンブルクは内陸の小国で、空軍も海軍もなく、唯一の陸軍も戦車がなく、装甲車レベルしか装備がないですが、NATOの一員として、日本と異なり人的貢献は少数ながら積極的に行っています。紛争国の旧ユーゴやアフガニスタンにも兵士を派遣していました。ロシアのウクライナ侵攻で戦争の危機が高まり、隣国では核戦争に備えるシェルターの建設も話題になっています。現在、ルクセンブルク軍は志願制ですが、最近、徴兵制復活の議論があり、結局、国会で否定されました。当取材記事でも欧州の危機が強調されていました。
話は変わりますが、最近は日本やドイツで無差別殺傷事件が発生していますが、ルクセンブルク市の中心部ハミりスで、日曜夕方ナイフによる2件の傷害事件が発生し、トラムの運行が中断されました。かってのルクセンブルクは世界でも最も安全な都市のひとつでしたが、移民による人口増で、治安の悪化と貧困が大きな社会問題なっています。最近は、イスラム系女性の社会進出も増えて、スーパーのレジや学校・オフィス清掃でもよく見かけるようになりました。また日曜祝日も終日営業する移民系の小食料品店も増加しています。
https://today.rtl.lu/news/luxembourg/a/2271641.html
掲載の写真は記事とは関係なく、昨年9月のルクセンブルクで初めてWWII時解放されたペタンジでの80周年記念行事のもので、右端の女性がバッカス大臣です。