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Hotel de la Loge (フリーメイソンの集会場)

今回は、文化財一般公開日である9月27、28日に実施されたフリーメイソンの集会場での見学について、報告したいと思います。
世界最大の秘密結社とも言われているフリーメイソンは、秘密に包まれいますが、一般公開して、集会場を公開すると共に、質問に受け答えすることで、秘密組織でないことを訴えていました。
14世紀に建てられた古い建物を1818年に購入して以来、集会場として利用されています。建物内部は、古い階段が残る中、各部屋は大きな窓に覆われていて、明るいイメージがありました。大集会場は新たに最上階に追加された場所に設けられており、シンボルマークやギリシア神殿を思わせる柱、儀式用具、座席、テーブルなどが設置されていてテンプルと呼ばれていました。集会後に下の階の大テーブルで夕食を一緒にとることのでした。現在、この建物では、6つのロッジ(Loge)があり、内訳は仏語4ロッジ、独語と英語が各1ロッジで、会員は約400名で、毎週金曜夜に開催される集会に参加するのは、30名ほどとのことでした。ここでは、会員は男性のみですが、男女混合、女性のみのロッジもあるとのことです。ロッジの新設には、英国にある本部の承認がいるとのことです。Better in SocietyとToletrance(寛容)をモットーとした友愛団体です。政治と宗教についての議論はせず、哲学を自身で習得するための図書室も設けられています。
詳しくは次のサイトで、
https://journeesdupatrimoine.lu/submission/hotel-de-la-loge/
https://www.grande-loge.lu/index.php?langue=uk

13時から17時までの公開時間中、訪問客が絶えず、大集会場での説明では20人以上が参加していました。
ところで、西洋人と話しているとしばしば哲学という用語がでてきますが、日本で哲学という用語が使われたのは、比較的新しく明治時代に西周が西洋の「philosophy」の訳語として「哲学」を創り出したことに始まります。しかも面白いのは、この訳語を中国がのちに使用したと言われていることで、東洋には哲学という概念はなかったことになります。
では、江戸時代の心学で有名な石田梅岩は、哲学家ではなく思想家として知られていますとのことでした。私のような素人には哲学家と思想家の区別がつきませんが、ネットでは、「思想家は日本語では哲学者(philosopher)と同義で使われる場合が多いが、哲学者が「Aとは何か」「AとはBである」など”とは”に軸足を置いて真実を探求する一方で、思想家は「Aはどうあるべきか」「AはBであるべきだ」など”べき”に軸足を置いた主張を展開するという意味で異なる。」とのことです。