今年は、ルクセンブルクが第二次世界大戦中のナチス・ドイツ占領を、米軍によって解放されてから、丁度、75年目の節目にあたります。これを記念して、ルクセンブルクで、1944年9月9日に初めて解放された町ペタンジで第二次世界大戦の大規模な展覧会が12月29日まで開催されています。パネル展示だけでなく、大戦中の軍用車両や小火器の実物に加えて、100年祭、大戦中、解放後の映像も公開されています。米軍の有名なシャーマン戦車やドイツ軍の自走砲車の展示もあります。展示面積950平方メートルの会場に、1939年の建国100年祭、1940年5月10日のドイツ軍による占領、4年間のナチス占領時代、1944年の解放、1944年末からのアルデンヌの戦い、戦後処理の6部構成で展示解説が行われています。パネル展示は独仏2か国語で、展示カタログも20ユーロで販売されています。
日本では、あまり知られていない小国の大戦中の歴史がよくわかります。驚いたのは、最後の展示での犠牲者の写真一覧、大戦中の犠牲者割合でした。犠牲者の割合は、人口の1.96%で、フランスの1.5%、ベルギーの1%を上回っています。人口が少ないだけに、割合が同じく占領された隣国よりも大きくなっています。
10月31日の夕方に行きましたが、平日のせいか、無料にもかかわらず、がらがらでした。豊かな国では、展覧会も無料で見れることが多く、しかも人口が少ないので、日本のように有料でも混雑して入場に行列ができることは、まれです。
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