ルクセンブルクでは国内観光推進で先月16歳以上の全住民と越境労働者に50ユーロのホテル券が配布されましたが、8月7日のWort紙のネットニュースによると1万2千枚がすでに使用されたとのことです。まだ68万8千枚は未使用で残っています。使用先は観光資源の豊富な北部地方が南部地方を上回っているとのことです。また、好天の猛暑が予報されている8月8日の週末、第三回で取り上げた上シュール湖での混雑による密を避けるための予約はすでに満杯とのことです。
今回は、ルクセンブルクの観光地でも有名な小スイス地方のハイキングルートの一つを紹介します。日本では、小さな滝が見られるルートしかルクセンブルクの旅行案内書「旅名人ブックス・ルクセンブルク」でも取り上げられていませんが、洞窟を通るルートは、渓谷の奇岩に沿った道を歩き、ミシュラン旅行ガイドで2星の奇岩の間を登る階段があることで有名な「la gorge du loup」を通り、登った先にはパノラマの絶景が広がっています。またEctermnachの手前では丘の上からパノラマが見えます。実は、このハイキングルートE1はEctermnach起点の全長13.5キロの4時間コースで、難易度3段階で一番上の難しいにランクされていますが、夏休みのせいか、反対側から来る小さな子供を連れた家族連れ、犬を連れたカップル、60才を超える年配者のグループなどに途中会いました。8月7日から35度余りの猛暑が予報されていたため、急遽、猛暑前の6日にBerdorfからEctermnachまでのコース5.8kmを歩いて来ました。Berdorfを初めに選んだのは、洞窟近くで、一部の急な階段を除いて、なだらかな下りが多く、先に書いた景色がいい渓谷の奇岩地区、「la gorge du loup」そしてパノラマを楽しめるからです。ただ、この逆ルートを歩く人は少数派で、大半は起点からみたいです。ルートの地図と標高差は次のサイトで確認できます。
https://www.mullerthal-trail.lu/en/fiche/walking/local-hiking-trail-e1
洞窟までは、Berdorf村を過ぎたホテル前のバス停から600mで、駐車場から200mの至近距離にあります。平日の午前中のため駐車場はがらがらでした。洞窟の一つでは、偶然にも男性が見たことない楽器(?)を使用した演奏をしていました。きれいな音色に誘われて、しばらく演奏を楽しみました。ルート脇を通る道路途中にある奇岩下の駐車場までは奇岩の続く渓谷沿いで橋がいくつもありましたが、日照りで小川には水がないところが大半でした。ここまでは、午前中だったせいか、反対側から来る多くのハイカーに会いましたが、その後は、まれにしか人に会いませんでした。ただ、一人の男性がマウンテンバイクで走っているのに出会いました。終点まで2.5キロから2キロぐらい手前が難所で、有名な「la gorge du loup」に続くなだらかな登り階段で、最後が「la gorge du loup」の手すりのある急階段です。高所恐怖症の人には目もくらむような急な階段です。犬を連れた男性が軽快に登って行く犬に合わせて慣れているせいか手すりにつかまらずに後を登っていきました。上からは小さな子供を連れた男性が降りてきました。登り切ったところは展望台になっいていて、テーブルと椅子があり、パノラマの絶景が見れました。残りの2㎞は楽勝のなだらかな下り坂で、Ectermnachの町の中心まで歩けます。ルクセンブルクのハイキングルートはどこも地図掲示板やルートの目印があり、地図を持たなくても気軽にハイキングを楽しめます。10時23分発の111番バスで中央駅前を出発し、15時前には同じ111番バスで戻って来ました。4時間半とルクセンブルクは半日で気軽に自然豊かなハイキングを楽しめるのが大きな利点です。
昨年、ある日本の旅行会社がルクセンブルクだけを訪ねるツアーを企画していましたが、1日で回れる国内名所を何日もかけて回るよりも、気軽に美しい自然を楽しめるサイクリングやハイキングを組み込んだツアーの方がルクセンブルクでしかできない点を売り物にできるのではないかと思いました。
la gorge du loup ― 奥にある岩の間の階段を登って行く。次の写真は上から見たところ。