EU加盟国の最大の関心はルクセンブルク以外では新型コロナですが、ルクセンブルクでは、住宅問題に次いで、新型コロナは2番目になっています。
ルクセンブルクでは、住宅価格の高騰で、劣悪な住宅での居住を強いられている世帯が増えています。年間10%も上昇しているため、0%金利で投資先を失った投資家による投機の対象にもなっています。投資家には、キャピタルゲイン10%とアパート家賃収入が入ることになります。
アパート家賃の全国平均は、2010年の1116ユーロから、2020年には1611ユーロと500ユーロ近くも上昇しています。上昇率は44%強です。
ただ、今は変わったかもしれませんが、かっては、日本と異なり2年間の再更新ごとのような家賃見直しはなく、10年以上いても、家賃は変更なかったので、昔から住んでいる人には、影響は少ないかもしれません。
3月27日の15時に駅前広場集合で、駅から中心街のダム広場まで1時間弱のデモ行進後に、集会が行われました。20余りの団体が参加して、数百人が参加しましたが、昨年10月の1回目の抗議活動に比べると、雨がときどき降り、しかも7度と寒かったため、参加者はかなり少なかったです。最大の労組OGBLの旗を持った参加者が多く、まるで労組の集会みたいでした。
演説では、65才のポルトガル人年金生活者やホテル滞在中の家族持ちを例に挙げて、劣悪な住宅事情の改善を政府に求めていました。
この一人暮らしの年金生活者は、ルクセンブルク市内居住で、1戸建ての家6部屋を部屋ごとにアパートとして貸している1部屋14平方メートルを1か月家賃750ユーロで借りています。年金1650ユーロの半分近くを家賃が占めています。トイレ、シャワーは共用で、部屋には冷蔵庫、電子レンジ、電熱料理器があるだけです。移民でルクセンブルクでは20年間しか働いていないため年金が少ないです。
ルクセンブルクでは、フランスと異なり家具付きのアパートが極端に少ないことも問題を大きくしています。古いアパートでは、台所に洗面台があるだけで、家具だけでなく、台所も入居者が準備する必要があります。ただ、最近は、システムキッチンを入れた物件が、特にアパート購入では、増えてきています。
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