シャルロット大公・国家救援組織が、第二次世界大戦で被害受けた国民を救援するために、当時のシャルロット大公によって始められてから2020年で丁度75年を迎えたことを記念して、75周年記念展が、国立公文書館で4月24日まで8時から16時まで開催されています。
展覧会では、当組織が、1944年12月から始まったナチスによる最後の反攻作戦で大きな被害を受けた国民を救済するために、戦時中から英国や米国で募金活動が実施し、戦後も宝くじを通じて資金が集められた様子を紹介していました。展覧会の前半は、大戦中の被害と外国での募金活動などについて、後半では、現在の救援活動について展示がなされています。
戦争で被害を受けた町のビデオも放映されていて、東部を含む北部だけでなく、モーゼル川沿いのヴァッサービリヒやグレーヴェンマハの町も大きな被害を受けていた様子がわかります。また、シャルロット大公が飛行機で大戦後に帰国したときのビデオも見れます。
1940年5月のナチスによる無血占領時の人口29万7千人のうち、3万7千人余りが、徴兵されたり、強制収容所などに送られたり、あるいは難民として、大戦中、国外に出国していました。
当展覧会では、触れられていませんが、ディーキルヒにある国立軍事博物館では、ナチスにより徴兵された兵士は東方戦線に送られ、捕虜となって、シベリアの収容所に送られましたが、同じく徴兵されたフランスのアルザス・ロレーヌ地方の兵士は、ノルマンディー上陸作戦後に仏自由軍将軍がロシアに出向き連れ帰りましたと展示にありました。でも、ルクセンブルク兵は忘れられ、1946年になってやっと解放されるという悲劇もありました。
当展覧会は、ルクセンブルクの現代史の一面を知るいい機会です。
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