神戸の芦屋に本拠地を置き、バイオ医薬品の研究開発型企業として知られているJCRファーマが、希少疾病の治験薬・商用医薬品の包装およびグローバル流通管理の欧州拠点をルクセンブルクに設立することを12月2日に発表しました。
同社の発表資料によりますと、「2022 年 8 月に設立した当社の子会社である JCR Luxembourg S.A.が、2017 年にお知らせした工場用地に代わりDudelange 市に位置する土地・建物を取得することを同国経済省と合意いたしました。」
さらに同社の代表取締役会長兼社長 芦田信氏は
「この度はルクセンブルク大公国と本契約の締結ができた事を大変光栄に思います。当社とルクセンブルクは数年にわたり、当社のグローバル展開を見据えた戦略について検討を続け、まずは治験薬・商用医薬品の二次包装、備蓄及び流通管理に特化した拠点の設立からその取り組みを実施することとなりました。ルクセンブルク政府の理解と協力のもとに締結された本契約は、当社のグローバル展開にとって欠かせない、大変有意義なものであると考えております。当社は現在、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain CargoⓇ」を適用した複数のライソゾーム病治療酵素製剤の研究開発を進めております。一日でも早く、本施設から当社の製造するバイオ医薬品が世界中の希少疾病の患者の皆さんに届けられることを期待しております。」
契約に調印した日本訪問中のルクセンブルクのフランツ・ファイ経済大臣は次のように述べています。
「ルクセンブルクにおけるJCRファーマ株式会社(以下、JCR)のプロジェクトは、国際企業がヨーロッパ市場またはそれ以外の市場へのアクセスを可能とする戦略的ハブとしてのルクセンブルクの魅力を強調しています。今回のプロジェクトにより、ルクセンブルクは我が国の経済を多様化するための 2 つの戦略的セクター『医療技術』と『物流の強化』において、重要な一歩を踏み出すことになります。JCR が展開する活動は、既存の医薬品の物流ハブである LuxairCARGO の活動を補完することになるでしょう。本契約は、医薬品サプライチェーンのための柔軟性の高いエコシステムを所持するルクセンブルクの立場を強化するものです。我々は、本契約によって我が国および世界中の希少疾病との戦いに貢献できることを誇りに思います。」
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