gastronomy

白ブドウの宿命。

「強い人が大関になる。宿命のある人が、横綱になる。」つい最近、大関稀勢の里関との全勝対決を制した後の、横綱白鵬関のこんなコメントが話題になりました。勝負の世界の厳しさが改めて垣間見えて非常に印象深かったですが、果物の世界でもそんな宿命がある事を感じさせる出来事がありました。

モーゼル川沿いのワイナリーでの夕食中、たまたま隣のアルコールの飲めない学生さんがオレンジジュースをオーダーしようとして、唯一メニューにあったジュースが写真の白ブドウジュース。美味しい!という声が隣から聞こえてきたので、試しに一口貰ったところ、それまでのほろ酔い気分が吹き飛んでしまう程の衝撃を受けました。透き通ったピュアな甘みとクリアなキレとコク、それは、まぎれもなく白ブドウのジュースでした。

人間40年近くも生きていると、知っている味の延長線上にある美味しい食べ物・飲み物には出会えても、まったく経験した事のない別次元の新しい味というものには滅多に出会えないと思います。その意味でこの白ブドウジュースに出会えたことは、望外の喜びでした。ワインになっても超一流、ジュースになっても超一流、モーゼル川沿いの白ブドウは、超一流の飲み物になる宿命が“ある”のだと思いました。

正直なところ、ワイン用の白ブドウをジュースにするという贅沢な飲み物なので、どの程度流通しているのか、他のワイナリーでも同じように作っているのか分かりませんが、是非モーゼル川沿いのワイナリーを訪れた際は、写真ラベルにあるような“Jus de Raisin”(グレープジュース)と “SANS ALCOOL”(アルコールフリー)の表示を目安に探してみてください。お酒の飲めない大切なご友人やお子様への、最高のお土産になる事を保証します。

私が訪れたそのワイナリー【Domaine Ruppert】はルクセンブルクのシェンゲン(シェンゲン協定がサインされた、ドイツとフランスとルクセンブルクの国境線が交わる趣深い場所)にあります。どのワインももちろん超一流の美味であったことも、念のため付け加えさせていただきます。
【ワイナリーHP】

Über uns