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Big recruitment campaign for healthcare staffs

ルクセンブルクでは、年初から政府による医療関係者を大量募集するキャンペンが実施され、トラムの広告版などに募集キャンペーン広告が掲示されました。
現在、ルクセンブルクの大きな課題は、治安、貧困、住宅不足、年金などですが、3人に2人が越境労働者である医療スタッフへの依存軽減も大きな課題になっています。コロナ時のように国境が閉鎖されれば、医療崩壊を招いてしまいます。現在、国会でも医療スタッフの国外依存軽減が議論されています。
https://today.rtl.lu/news/luxembourg/a/2270232.html
https://www.lessentiel.lu/fr/story/frontaliers-sante-162421449338

教育面では、従来なかった大学での医学部新設などで、医療スタッフの自前育成を意図していますが、まだ専門課程開設から日が浅く、時間がかかります。
一方、最近、おかしな記事がありました。200人の免許をもった医療スタッフが職安に登録されているとのことです。
https://www.virgule.lu/luxembourg/malgre-leur-diplome-200-professionnels-de-sante-sont-au-chomage-au-luxembourg/34549638.html
原因は、EU外の免許でルクセンブルクで通用しなかったり、言葉の問題があるみたいです。
私は、数年前から、米国からの米国人看護師を個人的に支援していますが、この人の場合は、本人によれば国連の資格があったため、すぐに職は見つかったが、英語だけで、仏語ができないため、苦労し、医局の医師が教師になって教わったと言ってました。当人の給与は知りませんが、ルクセンブルクの看護師は、ネットによると日本の倍近い9万ユーロ(1440万円)の年収で、スイスに次いで高くなっています。しかも契約によると思いますが、家具付きの社宅が格安で提供され、自分で住宅を探す手間が省けます。また、一時帰国などで1か月半の連続休暇をとることも可能でした。業務は肉体労働で昼休みもまともにとれないなど激務なこともあって好待遇です。

越境労働者の多さだけでなく、今後、引退する医療関係者も多いため、今後の不足も危惧されています。
https://www.virgule.lu/luxembourg/le-luxembourg-aura-besoin-de-900-infirmieres-supplementaires-au-cours-des-dix-prochaines-annees/26457858.html?
https://www.virgule.lu/luxembourg/metier-d-infirmiere-c-est-une-bombe-a-retardement/28680165.html?
https://www.luxtimes.lu/luxembourg/one-in-two-healthcare-providers-facing-skills-shortages/20261029.html

現在、大前研一著の「新版 第4の波」を読んでいますが、AI・スマホ革命が進んでも、エッセンシャル・ワーカーである看護、介護職は残るとのことです。昨年放映された「トラベルナース」の番組でも「心のケア―」が強調されていましたが、ロボットではできない領域です。日本でも看護・介護スタッフ不足は深刻で、すでに東南アジアなどからの外国人スタッフもいますが、ルクセンブルクでは、越境医療関係者は圧倒的にフランスが多く、ルクセンブルク語を話さない仏語しかできないスタッフが多いです。特に、数か月利用した訪問看護師は、ほとんどフランス人でした。