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ナポレオン死後200年ー今も残る遺産

5月5日は、日本では子供の日ですが、今年の5月5日はナポレオンがセントヘレナ島で死去してから、丁度200年目に当たります。フランスでは200周年を記念して数多くの展覧会や雑誌の特集が発売されています。ただ、仏大統領の意向で特別な公式行事はありませんでした。英雄としての面だけでなく、カリブ海の島で奴隷制を復活させたなど負の面が影響しています。
ルクセンブルクでは、世界の偉人の名前を通りにしているところがあり、ナポレオン一世も市内競技場の裏通りに名前を残しています。ナポレオン自身もルクセンブルクを1804年10月9日に訪問してグルンドなど旧市街を視察し、夜には舞踊会を開催していました。歴史的には、仏革命後の1795年に、オーストリアとの戦闘で、フランスがルクセンブルクを占領しており、スペイン・ハプスブルク家を含む長いハプスブルク家支配が終わっています。
ナポレオンが後世に大きな影響を残した業績はいくつかありますが、ルクセンブルクに居住する我々に関係するのは、ナポレオン法典です。ルクセンブルクでは1804年に導入されています。いまも民法にあたるCivil Codeに引き継がれています。日本と大きく異なる点は、遺産相続で、ナポレオン法典は直系血族優先で、配偶者相続分は優先されず、子供に優先権が今も法律で定められていることです。極端なケースでは、子供が残された配偶者を持ち家から追い出すことが可能になります。しかし、西欧では、ご存知かもしれませんが、婚姻時に離別・死別時の財産分割を明記した婚姻契約書を公証人に依頼して作成するケースが多いです。当婚姻契約書がある場合には、夫婦の公式な合意文書として認められ、死別時に配偶者に財産分割で持ち家を指定すれば、配偶者が引き続き住めることになります。外国に住む場合には、日本とは法律が異なりますので、関連する法律を知ることが自己防衛につながります。
この点は昔から知っていましたが、ルクセンブルク籍以外のEU国籍保持者は、自国の法律を選択できる点は4.5年前に初めてしりました。例えば、仏国籍者であれば、フランスではすでに直系血族優先は改正されているので、問題ないですが、日本人を含むEU加盟国以外の国籍保持者には、この特例がないです。
今回は、書店での関連書籍200年記念展示、2014年にルクセンブルクで開催されたナポレオン時代の軍事キャンプ再現の写真を、通り名写真と共に掲載します。