『Péckvillecher (ペックフィラヒャー)』・・・
オーガニックとか、ハンドメイドとか、民芸品とか、Made in Luxembourgとか、そういった響きに特に弱いのですが、ずっと気になっていました。そのカラフルな鳥の土笛。
そしてその『ペックフィラヒャー』という何とも言えない味わい深い名前も。
オフィスの中にも色とりどりの鳥が何羽か並んでおり、いつも私の視線を奪います。
『JAL SKYWARD』2018年4月号でも1ページ使って紹介されていましたので、気になっていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以前のLIEF記事の『ルクセンブルクの伝統 4月』にも解説されていますので、改めてそちらの記事を抜粋させていただきます。(しかしこのサブリナさんによる「伝統」シリーズ投稿、内容が詳細に渡り大変勉強になります。)
(引用)
復活祭の翌日には、「Emaischen」という民族的なお祭りが催されます。このお祭りでは、ルクセンブルク市 (1827年から) と、ルクセンブルク南西部の街Nospelt (1957年から) で、市場が開かれます。「Emaischen」という名前にも、宗教的な意味が含まれており、聖書に登場するエマオ(Emmaus)という地名が由来となっています。Emmausは、復活したイエスが、二人の使途とともに現れた町です。民族舞踊や、ルクセンブルクの伝統的な食べ物や飲み物、子どものための催し物などが魅力で、毎年何百人もの人々が訪れます。しかし、この市場で一番の名物は、「Péckvillecher」という鳥の形をした土笛です。陶芸家たちが集まり、世界的に名高い「Péckvillecher」を販売します。かつては愛好家の間でのみ取引されていましたが、近年その人気が増しており、収集家の間で価値が高まっています。
(引用終わり)
自分もこの小鳥笛を欲しい。でも、お土産屋さんでも見た事ないし、なかなか復活祭の期間に出張は無理か。。
すっかり諦めの境地でしたが、何事も、念ずれば通ずです。
それはイースターとは関係ない5月の出張時の事でした。偶然市内中心部のギヨーム広場の観光案内所に、日本から初めて来られた方のために地図を貰いにいった時の事。少し時間があり雨が降っていたので、休むつもりで中をブラブラしていたら、ガラスケースの中に鳥の形をした置物を発見!少し地味ですが、紛れもなく『ペックフィラヒャー』だと確信し、即座に「売り物」かどうか念のため確認し、在庫(とはいっても全部で5羽だけでしたが。。)を全部見せてもらい、散々悩んだ挙句にファーストインプレッションで元々ガラスケースに飾られていた、ある意味一番控えめでナチュラルな色の一羽を購入しました。あまりに嬉しくて値段も確認しませんでしたが、後で写真を見返すと15ユーロと大きく書いてありましたね。
その後、ホテルの窓際に置いて愛でながらの記念写真撮影など行い、梱包して大切に持ち帰った次第です。私の中ではあくまで置物で、笛として吹くことは念頭になかったのですが、家で子供が吹きたいというので渡すと、「フォー、フォー」という味わい深い音が聞こえてきました。しかし、この小鳥笛の真の実力を知るのはそれからでした。そのまま子供がお風呂に持って入り、試しに水を入れて吹いてみると、、、「ピィヒィァラララー、ヒャラヒャラー」信じられくらい綺麗な音がします。小鳥が目の前で鳴いているかのような錯覚を持つほどの美声が聞こえてきました。すでにお持ちの方も、これから購入されようという方も、是非一度水を入れてトライしてみて下さい。その美声というか美音にびっくりするはずです。
また一つ、素敵なMade In Luxembourgを見つけてしまいました。