Special Interview – TSUME-ART 広報担当Mr. Sébastien Agogué(セバスチャン・アゴゲさん)
日本のアニメを題材にしたフィギュアが大人気を博している、ルクセンブルクのTSUME-ART。社員40名全員が日本を訪れた今回、来日の目的や、TSUMEの今後について広報担当のセバスチャンさんにお話をうかがいました。。(懇親パーティでの突撃取材に快く応じていただきました)
事務局(以下、Q):こんにちは。お忙しいところお時間をとっていただいてありがとうございます。今回の来日は商用ですか?ゲームショーが開催中ですけれどセバスチャン(以下、S):いえ、社員の慰安旅行の意味合いが強いです。出版社との打ち合わせが1件入っていますが(「少年ジャンプ」の編集部も訪問したそう)。展示会も僕たちは見学のみで、出展はしていません。昨年はとても忙しい年で、皆、すごく頑張ったから、ご褒美(笑)。それに、この2年間で15名から40名へと新しい仲間も増えたのでチームビルディングの目的もあります。ご存じのように、日本の文化、アニメーションは私たちのビジネスのコアな部分ですので、せっかくだから、みんなで日本に行って、もっと日本を、日本の普通の生活とか、日本の人達の考え方を肌で感じてこようと。
Q:みんなで、ですか?
S:はい、社員全員です。
Q:それはすごい。社員の方は皆、ルクセンブルクの方ですか?
S:いえいえ、多国籍ですよ。フランス、ベルギー、ルクセンブルク、日本人も1名います。
Q:あ、そうですよね、社長のCyril(シリル)さんもフランスの方でしたね。セバスチャンさんのお国は?
S:僕もフランスです。
Q:なぜ、フランスではなくルクセンブルクで起業したのですか?
S:大きな理由は、出資者にルクセンブルクの方がいたこと、ルクセンブルクで起業するほうがビジネスの展望が開けるチャンスがあったこと、それから社長がルクセンブルクに隣接する地域に住んでいたこと、ことでしょうか。社長は今もフランスからルクセンブルクまで通勤していますよ。通勤時間は30分(笑)。
Q:なるほど。今、社長のお話がでましたけれど、シリル社長は、どんなきっかけでこのビジネスをスタートしたのですか?
S:社長の原点はビデオゲームプレイヤーです。社長のお兄さんがゲーム業界にいた関係で、誰よりも早く、色々なビデオゲームができて、そこからアニメにつながったみたいですね。ただ、もともとクリエーターであったわけではなく、はじめはアニメの会社で輸入担当。それからディストリビューターになって、ついに製作者、という。僕たちのビジネスの原点は、子供が楽しめるフィギュアはいっぱいあるけれど、大人のためのものが見当たらなかったので、それを作ろう、ということでした。「オタク~」と揶揄されない「かっこいい!」と思ってもらえる、リビングルームに飾れる、Grown up peopleのためのクールなフィギュア、これがコンセプトです。
Q:そして、大成功を収めている。今後のビジネス展開についても教えていただけますか?
S:フィギュアに加えて、アパレルやボードゲームも手掛けています。つい最近、エンタテイメント部門も設立しまして、ウェブサイト用のビデオコンテンツを提供したり、コメディアンのマネジメント業務もスタートしたりしています。
Q:事業が大きく展開していくのですね!楽しみです。最後にLIEFの読者の方にメッセージをお願いします。
S:僕たちが日本の方々、特にクリエーターの方々と仕事をして一番心を打たれているのは、仕事に対するパッション、情熱です。日本の企業は、みんな、パッションから会社を始めたと思います。ハードワークを厭わず、仕事に集中し、アウトプットの完成度にこだわる。漫画家の方々も、自分のアイディアを描くことに、漫画家である事に心からの情熱をささげています。素晴らしいと思いますし、僕たちに相通じるものがあると思います。世界はどんどん変わっていってパッションは蔑ろにされがちですけれど、やっぱりパッションが一番大切だと思います。皆さんも、ご自分のパッションを大切にしてください。
Q:パッション。日本とTSUME-ARTを結ぶ共通項が、ここにあるのですね。今日はありがとうございました。
S:こちらこそ、ありがとうございました。