毎年カーニバルの次の週末にはBuergbrennen (発音は難しすぎて…)がルクセンブルク各地で行われます。
友人に誘われて行ってみると、何だか心も体も温まるイベントでした。
夕方、小さな可愛らしい町の教会に、あふれんばかりの人達が集まってきます。
Buergbrennenは、神父様と地元の子供達が聖書を読み、キレイな声で聖歌を歌い、平和と幸福を祈るミサから始まります。
聖歌がルクセンブル語だったりフランス語だったり、英語の歌も歌うのはルクセンブルクならではでしょうか。
ミサが終わるとみんな教会の外に出て、子供達がそれぞれ手に持った松明に火をつけます。小さな子供も大人が付き添って、そこから松明の行列を作って歩きます。
行き先は、教会から5分くらい先の町の外れの広々とした野原。
そこには大きな木材やわら草の山が築かれていました。
これは使わなくなった家財道具やクリスマスツリーなどでできているのだそうです。
子供達がその山を囲み、合図とともに一斉に松明を差し込んで火をつけます。
キャンプファイヤーみたい。
そう思っていたのも束の間、この日の強風で炎はみるみる大きく燃え上がり、すぐに火の山となって燃え盛ります。
随分長い間、みんな火の粉を避けながら、チューリンガーソーセージのホットドックを食べながら、ビールやジュースを飲みながら炎を見つめていました。
その内少しずつ火を囲む人達の数が減っていき。私達も帰ることにしました。
あの火をどうするのか聞いてみたところ「完全に燃え尽きるまでこのまま」だそう。
もちろん一晩中火の番をする人もいるのだそうです。
風の強い凍えるような夜でしたが、炎に温められて寒さも吹き飛びました。
「これはね、冬にさようなら(äddi)をして、春にこんにちは(Moien)をするイベントなんだ」と友達のお父さんが教えてくれました。
子供達はこれで炎の偉大さと恐ろしさも学ぶのだと。
春はもうすぐそこ。
ルクセンブルクの伝統行事。また知らなかった一面に触れることができました。