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アンリ・ルパートさんの白ブドウジュースレシピ

アンリ・ルパートさんの白ブドウジュースレシピ

お酒関連話続きですいません。
ルクセンブルクもブドウ収穫の真っ最中のようです。

さて、日本でもオンラインショップ「ここだけワイン」で購入でき、ITに頼らないワイン農家としてITmedia NEWSにもインタビューが掲載され、かくいう私も白ブドウジュースの美味しさについて「白ブドウの宿命」というタイトルでLIEFに書かせていただいた事もある、シェンゲンにあるドメーヌ・アンリ・ルパート。現当主は8代目、ロンドンの高級レストランなどでも提供されている非常に評判の高い伝統あるワイナリーです。

今回また試飲と食事でご訪問をさせていただいた際、ルパートさんにその白ブドウジュースのレシピについて思い切って聞いてみました。というのも、あれから日本のデパートで、オンラインショップで、自然食品店で、と色々国内で購入できる白ブドウジュースを飲んでみましたが、どうもルクセンブルクのと違うんです。もちろん日本のも美味しいのですが、甘みの蜜感とキレがルクセンブルクの白ブドウジュースが独特で、より特別な飲み物感を感じます。

ルパートさんのところでも、家族でワイナリーに食事に来ていただいた際に子供が飲めるように作っているんだよとの事で、契約農家さんに搾汁までお願いしているそうです。
分かった事は2つ。

①使用品種はリヴァネール100%。

過去にLIEFでインタビューも掲載された萩原克彦さんが、気鋭の女性醸造家が率いるドメーヌ・マティス・バスティアンのサイトで日本語でセパージュ(品種)別のワインの解説されていますが、リヴァネールという品種には特有のカシスの蕾のアロマがあるとの事です。

②70℃~80℃くらいで加熱殺菌する。

これも肝かもしれません。聞いた話では、日本では98℃くらいまで加熱して殺菌するというのが法律で定められているそうです。ブドウ品種だけでなく瓶詰前の製法にも味の違いの原因がありそうです。
余談ですがある日本のワイナリーの醸造家の方に聞いたところ、ワイン用のブドウを収穫直後に搾汁したジュースは、こんな美味しい飲み物があるかなと思うくらい美味しいとおっしゃっていました。私はてっきりワイン用ブドウは美味しくなくて、ワインにして初めて美味しいとイメージで勝手に思っていたのですが、意外と知られていないですよね。

いつか日本でも飲める日が来るといいなと切に願っています。
ちなみにルパートさん、新たな挑戦に余念がなく、とっておきの最高のピノノワールについても教えていただきました。その名は「matache」。こちらは日本では購入できませんが、ルクセンブルクで見つけた方は是非。ルクセンブルクの赤ワイン!? 是非発見してみてください。

上海万博のルクセンブルクパビリオンも設計した欧州を中心に国際的に活躍するHermann & Valentiny Architectes による建築も一見の価値ありです。

レストランでの前菜盛り合わせには、ルクセンブルク名物、パテ・オ・リースリングもあります。

ワイナリーからは、ドイツとフランスとルクセンブルクの国境が交わるポイントを見渡せます。眺めのよさもポイント高しです。

夕日に染まった空と愛犬ピノ。

何度も喧伝して恐縮ですが、とてもお薦めのアドレスです。ここで美味しいワインと食事を味わいながら、夏の日にのんびり過ごしたいですね。