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ルクセンブルク消滅

4月20日付け無料紙の一面にルクセンブルクの終わり0年のタイトルで、ドキュメンタリー・フィクションの原発事故写真が大きく掲載されていました。
ルクセンブルク南部の国境を超えてフランスのカテノムにある原子力発電所が深刻な事故を起こしたとの想定で、ドラマと専門家による座談会が並行して展開されていきます。3月に開催されたルクス映画祭でも取り上げられた映画で、仏独文化放送のARTEで、21日に放映されます。
でも、ARTE TVサイトでは、7月19日まで視聴することができます。
https://www.arte.tv/fr/videos/093703-000-A/an-zero-comment-le-luxembourg-a-disparu/
原発事故が起きたら、どのような影響をルクセンブルクが受けるかがよくわかります。福島原発事故どころの話ではなく、小国であるルクセンブルクは、汚染で住めなくなり、政府は外国に避難、まさに第二次世界大戦中と同じで、全住民も欧州他国に難民として移住することになります。国家消滅の危機です。
カテノム原子力発電所は、首都ルクセンブルク市からわずか25㎞南に位置しており、欧州の首都の中で、最も原発に隣接している首都です。座談会で、フランスは、ベルギー、ルクセンブルク、ドイツとの国境近辺に25%の原発を設置していると話していました。

ルクセンブルクでは、すでに原発事故時の対応マニュアルが全世帯に配布されており、重大事故時の放射能汚染を緩和するために、35才以下の住民には10年近く前にヨウ素剤が配布されました。なお、日本大使館でも日本語の簡単なマニュアルがサイトに掲示されています。
https://www.lu.emb-japan.go.jp/japanese/ryoji/katenomu.pdf

福島原発と異なり、地震や津波などの自然災害でのリスクは小さいですが、技術的あるいは人為的なミスによる事故リスクはゼロではないです。
日本の安全神話とは異なり、フランス語では、「リスク・ゼロは存在しない」が広く言われています。
個人での日本における地震対策と同じように、起きたら、どうするかを事前に確認しておくことが大事です。映画でも指摘されているように、ソシアルネットワークの情報に惑わされることなく、政府や日本大使館の指示を確認することが重要です。