「人」コラム ‐ ルクセンブルクの横顔
第24回:今野有子さん (Ms. Yuko Konno) ― 後編
ある国を語る時、歴史や文化、生活風習に加え、その国の人々は欠かせないファクターでしょう。人との交流は、国の印象にも大きく左右しますし、人を知ることで、その国への理解も一層深まります。このコラムは日本とルクセンブルク、双方につながりの深い方々を順次ご紹介していきます。
今回も引き続き、ルクセンブルクのワインを取り扱っているワイン輸入業者、コンサルタントの今野有子さんのお話をうかがいます。
事務局(以下、Q):前回、今野さんとルクセンブルクワインのなれそめや、ルクセンブルクワインの特徴と魅力をお伺いしましたが、ブランディングについてのお考えを教えていただけますか?
今野(以下、K):はい、ルクセンブルクのワインについての広く認知していただくことが大切なのはもちろんですが、何にもまして、イメージをしっかり確立していくことが重要だと考えています。
Q:どんなイメージ?
K:そうですね、酸味がきれいなデリケートなワインで、和食とも相性が良いこと、少量生産なので希少価値のあること、でしょうか。手に入れた時、味わう時の「特別感」も演出できたら良いな、とあれこれ考えているところです。
Q:あれこれ、ですか?
K:はい。
Q:その「あれこれ」を教えていただけませんか?お差し支えのない範囲で(笑)。
K:まずは、弊社のウェブサイトにルクセンブルクのワインのスペシャルサイト(https://luxembourg.kokodakewine.jp/)を立ち上げました。しっかりと情報を発信していこうと考えています。それからパッケージングも工夫したいですね。パッケージ・デザインだけでなく、受け取った時のワクワク感にプラスアルファの何か、生活の中の潤いが増すアイテムを組み込めないか、と。
Q:なるほど。一過性の楽しみ以上のもの、ですね。ところで、今野さんはお仕事で何度もルクセンブルクに滞在されていますけれど、お気に入りの場所、オススメの場所はありますか?
K:観光情報ではないのですが・・・。ルクセンブルクのスーパーマーケットは楽しいです。私はスパイスが好きなので、色々な国にスーパーマーケットでスパイスをチェックするのですが、カクタス(Cuctus)のスパイス売り場は色々な国のスパイスがいっぱいあって。スパイスに限らず、ルクセンブルクのスーパーはEU諸国のものが沢山あって、反対にMade in Luxembourgを探すのは難しいかもしれませんね。もちろん、ワイン売り場も本当に充実しています。
Q:ルクセンブルクの方々の日常にワインが欠かせないことがわかりますね。
K:そうですね、あと、ルクセンブルクではパンが本当に美味しいです。
Q:ルクセンブルク航空の機内食のパンはとても美味しいと聞いたことがあります。街中では尚更でしょうね。
K:そういえば、ルクセンブルクの空港のご飯、感激ものですよ。
Q:空港、ですか?
K:はい。どこの国でも空港内で食べるご飯に期待する人は少ないと思いますけれど、ルクセンブルクの空港のご飯はとても美味しいです。もりつけもちゃんとしていますし。
Q:それは良いですね!その他には?
K:首都なのにすぐそばに森に囲まれていて、いきなり自然が開けているのが良いですね。旧市街の落ち着いた雰囲気はホッとしますし、グルント(Grund)のユースホステルがあるあたりはおしゃれなレストランもあります。IT企業が進出している地域の近代的な建築も面白いし。散策が楽しくて。ルクセンブルクは治安が良いので女性の一人旅にお勧めです。話しかけてくれる人も多いです。
Q:見ず知らずの人達?
K:はい、とてもフレンドリーです。疎外感を持たなくてすみます。ルクセンブルクの美点のひとつだと思います。
Q:その意味でも今野さんにとってルクセンブルクは親しみやすいですか?
K:そうですね。私はワインで人と人とを繋ぎたいと思っていますし、人と人との繋がりはとても大切にしたいものです。
Q:なるほど。LIEFの活動も交流の場を広げることを目的としております。そこにも通じますね。
K:ワインを気楽に楽しめる企画をLIEFと一緒に実施できたら素敵ですね。ルクセンブルクの話題をアテにワインで盛り上がる機会を楽しみにしています。
Q:素敵ですね!是非企画しましょう!今日はありがとうございました。
K:こちらこそ、ありがとうございました。
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ワインを情熱的に語る今野さんの原動力は「人との繋がり」。繋がりを大切にするからこそ、ルクセンブルクの生産者の皆さんも手塩にかけたワインを今野さんに託すのでしょう。今後のブランディング活動にも注目です。今野さんとワインを楽しむ会をLIEFで企画してみたいと思います。 (文責:事務局)