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「人」コラム ‐ ルクセンブルクの横顔  第38回:ダフネ・モースさん(Ms. Daphne Mose) ― 後編

ある国を語る時、歴史や文化、生活風習に加え、その国の人々は欠かせないファクターでしょう。人との交流は、国の印象にも大きく左右しますし、人を知ることで、その国への理解も一層深まります。このコラムは日本とルクセンブルク、双方につながりの深い方々を順次ご紹介していきます。
前回に続き、ルクセンブルク大使館で8月中旬までインターンとして勤務したダフネ・モースさんのお話を伺います。

事務局(以下、Q):さて、ダフネさんの東京での生活をお聞きしたいのですが、良く出かけられるのですか?
ダフネ(以下、D):はい、渋谷や新宿、もちろん池袋にも出かけます。ご飯を食べたり、バーで飲んだり。この間、カラオケも行きました。私はカラオケって、バーのようなスペースで皆が歌う場所をイメージしていたのですが、個室なのですね。想像と違っていてびっくりしました。とても楽しかったです。
Q:そうですね、昔はダフネさんの想像通りのお店もかなりあったのですけれど。カウンター式のバーなどで、お店の方にお金を払って1曲歌うという・・・。30年以上も前の話ですけど。
D:そうなのですか。カラオケ、とってもクールですね。
Q:そのほかに気に入っているものはありますか?
D:そうですね、私「鳥貴族」の大ファンです。
Q:お、焼き鳥ですね!
D:はい、日本食はほとんどのものがとても美味しいです。プレーンなお米のご飯が大好きで、丼物や定食をよく食べます。それからラーメンも好きですね。
Q:お昼ご飯も外で?
D:はい、市ヶ谷界隈のお店でランチをします。メニューに写真が載っていると助かります。私は日本語ができないので、写真を頼りにオーダーします。食券を自販機で買うシステムはとっても便利ですね。ルクセンブルクにはないです。
Q:では、食事で困ったことはない?
D:実は、私、ミルクがダメなのです。アレルギーがあるのでラクトース抜きのものが欲しいのですけれど、スーパーで見つけられなくて。あと、日本のレストランのメニューは原材料が載っていないでしょう。ルクセンブルクではメニューには必ず素材を記載しなければならないのですけれど、日本は料理名だけですよね。ですから必然的に洋食より和食になってしまいますね。私は母がイタリア人なので、イタリアンが食べたい!と思うことがたまにあります(笑)。あと、困ったことではないのですけれど、日本人はすごく食べるのが早い!本当に驚きました。食堂でお昼を注文して、出されてから完食まで10分かかっていないのではないかしら。私はあんなに早く食べることは無理です(笑)。
Q:確かに、ビジネス街のランチ時はさっときて、さっと食べて、さっと去る(笑)ランチをゆっくり摂る習慣は日本のサラリーマンには皆無かも(笑)。その他で困ったことはありますか?東京の暑さは大丈夫でしたか?
D:暑さも厳しいですが、この時期は雨が多いですね。梅雨に台風・・・。4月に来れば桜も見られてよかったのでしょうけれど、今回は時期を選んでいられなかったから(笑)。
Q:そうね、次回日本に来るときは桜や新緑の季節に是非(笑)。秋もいいですよ。紅葉がきれいで。
D:ああ、それも良いですね。大使館でのインターンの後で一週間ほど旅行に行く予定です。京都、大阪、広島、岡山・・・。今からとても楽しみです。
Q:かなりタイトなスケジュールではありませんか?
D:たしかにそうですね。でもせっかくだから色々な所を訪ねてみたいと思いまして。上海でのインターンの時は各地を回らずにすぐ帰国してしまって、後でちょっと後悔したので。
Q:関西や中国地方は東京とはまた趣が異なるから、きっと楽しいと思いますよ。
D:はい、きっと印象深い旅になると思います。初めて訪れる場所ですから。そうそう、初めてといえば、東京で人生初の地震を体験しました。
Q:え!?いつ?
D:2週間くらい前かな
Q:大丈夫でしたか?
D:はい、そんなにひどい揺れはなかったので大丈夫でした。
Q:それは良かった。日本は火山国で頻繁に地震があるから・・・これもルクセンブルクと違う点ですね。
D:そうですね。地理的に離れていますし。でも、ヨーロッパの中でも国によって天候は違いますよ。イタリアはいつも晴れているけれど、ルクセンブルクは曇りがちで。母がイタリアから嫁いできた時、ルクセンブルクは空がグレーで気が落ち込んだと言っていました。
Q:ああ、わかります。私も冬のイギリスは憂鬱になりました。寒いし、すぐ日が暮れてしまって暗いし。ダフネさんの旅行中はお天気が良いことを祈ります。
D:ありがとうございます。
Q:ルクセンブルクに戻ったら、弁護士さんとしての新しい生活が始まりますね。
D:はい。大変なこともあるとおもいますが、しっかりキャリアを構築していきたいです。そして、いつか裁判官になりたいと考えています。もちろん、キャリアを進めていく中で方向転換する可能性もありますけれど。
Q:たしかに。先のことはわからないですよね。
D:その通りです。人生に対して柔軟な姿勢を保っていたいと思います。前にも言いましたが、私はいつも新しい経験にオープンでいたいと思っています。なので、日本を楽しんで、そしてルクセンブルクに戻ってからの新しいチャレンジも楽しみたいと思います。
Q:それはとても素敵な考えですね。これからのご活躍を期待しています。今日はありがとうございました。
D:こちらこそ、ありがとうございました。

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5週間の滞在にも関わらず、大使館での勤務に加えて都内探訪や日本のサラリーマン風の昼ごはんまでしっかり経験したダフネさん。ルクセンブルクでの新しいキャリアもしなやかに思慮深く進めることと思います。日本での経験がダフネさんの人生に彩りをもたらすることを期待しています。                            (文責:事務局)